時計の針を少し巻き戻す。二人の交際が公になったのは、大人の隠れ家のような関係が落ち着きを見せ始めた頃だった。しかし、運命はあまりにも残酷なシナリオを用意していた。2012年、田宮五郎を襲った突然のくも膜下出血。意識不明の重体に陥った彼を前に、浅野ゆう子はただ立ち尽くすしかなかった。だが、彼女は諦めなかった。
女優としての華やかな仕事をセーブし、彼女が選んだのは「献身的な看病」という道だった。言葉を失い、体を自由に動かせなくなった恋人の手を握りしめ、再び歩き出すためのリハビリに付き添う日々。それは、世間の好奇の目から彼を守り抜くための孤独な闘いでもあった。彼女の支えによって、田宮は奇跡的な回復を見せ、一時は車椅子から立ち上がるまでに至ったのである。