神社関係者への聞き取りや、事業承継に伴い神棚を引き継いだ人々の実情を調査すると、後悔やトラブルに悩むケースには共通したパターンがあることが分かります。
「先代社長が熱心に伏見稲荷大社を信仰して社内に神棚を設けたが、代替わりして誰も日々の手入れをしなくなり、埃をかぶってしまった」「実家を相続したが、庭にある稲荷の祠や室内の神棚をどう扱えばいいか分からず不気味に感じている」といった声が代表的です。
問題の本質は「お稲荷様そのもの」にあるのではなく、「管理する体制や敬意の継続性が途絶えたこと」による心理的プレッシャーにあります。毎朝の水の交換やお供え、定期的な清掃を「面倒な義務」と感じるようになると、やがて後ろめたさが生じ、日常の小さな不運をすべて「お稲荷様の怒りではないか」と結びつけてしまう精神的悪循環に陥るのです。