グリッド線が提示する均等な三分割は実用的な目安だが、さらに一歩踏み込んだ表現を求めるなら「黄金比」の螺旋を脳内に描く訓練が有効だ。レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画から建築美に至るまで、人間が本能的に心地よいと感じる約1:1.618の比率である。
iPhoneの画面内で黄金比を意識する場合、三分割のグリッドよりもわずかに中央寄りに視覚の重心を置く感覚が求められる。格子線の交点からわずかに主被写体をずらし、背景のライン(道路、海岸線、建物の稜線など)が対角線を描くようにフレームを傾ける。規則的なグリッド線をガイドとして使いながら、あえてそこから微小なズレを生み出すことで、計算し尽くされた緊張感と有機的な美しさが同居する画面が完成する。