キーセンの水揚げとは?日本花柳界との決定的な違いと歴史の真相

キーセンの水揚げとは?日本花柳界との決定的な違いと歴史の真相

キーセンの水揚げとは?日本花柳界との決定的な違いと歴史の真相とはどのようなものなのか? 主要なファクトを簡潔に解説します。

「キーセンの水揚げ」という表現を理解するうえで最も根本的な事実は、「水揚げ」自体は日本古来の花柳界・遊廓用語であり、朝鮮半島の伝統社会に元から存在した言葉ではないという点です。

李氏朝鮮時代(1392〜1910年)の伝統的な妓生社会において、少女(童妓)が修練を終えて一人前の妓生(成妓)として認められる際に行われていた儀礼は、朝鮮語で「머리올림(モリオリム=髪を結い上げること)」と呼ばれていました。当時の未婚女性は髪を後ろで三つ編みにして垂らしていましたが、成人すると髪を頭の上で束ねて簪(かんざし)を挿す風習がありました。モリオリムはこの成人儀礼(笄礼)を基礎とした通過儀礼です。

この儀礼では、高官や両班(貴族階級)などの有力者が支援者(キドゥンソバン=柱旦那)となり、多額の結納金や衣装代を工面して初夜の契りを交わしました。これが近代以降、日本統治下で日本の芸妓管理システム(券番制度)が朝鮮半島に導入された際、日本の「水揚げ(半玉や舞妓が一人前になるための通過儀礼)」という概念と重ね合わされ、日本語の呼称として定着したという歴史的経緯があります。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。