インターネット上では「国防動員法が発令されると、日本国内にいる約80万人の在日中国人が一斉に蜂起し、テロや武力攻撃を行う」といった極端な言説が散見されます。こうした噂の真相と現実的なリスクを冷静に整理する必要があります。
法文上の建前として、国防動員法の第6条には「中華人民共和国の公民、遺伝子を持つ企業・組織は、国防動員に関わる義務を履行しなければならない」とあり、海外に居住する中国籍保持者も対象外とは明記されていません。理論上、中国当局は在外公民に対しても指示や命令を出す法的位置づけを持っています。
しかし、日本国内では日本の主権と法律が優先されます。仮に中国政府が日本国内の在日中国人に向けて武力行使や破壊工作を命じたとしても、日本国内で違法な行動を取れば即座に日本の警察や自衛隊によって検挙・処罰されます。また、日本で生活基盤を築いている大多数の在日中国人が、私生活や法的安全を捨てて破壊工作に加担することは現実的ではありません。
一方で、真に警戒すべき現実的リスクは「目に見える武力蜂起」ではなく、サイバー攻撃への加担要請、重要インフラデータの送信命令、先端技術の持ち出しといった非対称なサボタージュ活動です。中国国内に残る親族への圧力を背景に、情報提供やシステム操作を強要されるリスクこそが、安全保障専門家が最も懸念しているシナリオです。