泉鏡花の異能力「夜叉白雪(やしゃしらゆき)」は、刃物を持った巨大な異形を召喚して敵を殲滅する極めて攻撃力の高い能力です。しかし、初期の鏡花はこの異能を自分の意思で直接制御できず、「携帯電話から聞こえる他人の音声」を通してしか命令を下せませんでした。
この不条理な仕様の裏には、彼女の両親を巡る悲痛な過去が存在します。かつて政府系の暗殺組織に身を置いていた両親は、ある日敵の異能攻撃によって精神を操られ、互いに刃を向け合う事態に陥りました。鏡花の母親は娘を守るため、自らが持っていた異能「夜叉白雪」を極秘の秘術で鏡花へと継承。その直後、鏡花に危害が及ぶのを防ぐため、父親とともに自害して果てたのです。
幼い鏡花にとっては「突如現れた夜叉が最愛の両親を惨殺した」という凄惨なトラウマとして記憶され、夜叉白雪は憎悪の対象となりました。母の異能を完全な血統継承ではなく緊急移譲した歪みが、「電話を通じた命令しか受け付けない」という呪いのような制約を生み出していたのです。