週刊漫画TIMESで連載された村田椰融の原作コミックとドラマ版には、いくつかの重要な相違点が存在します。テレビドラマ化にあたり脚本の大島里美が施した改編は、物語の情緒的な厚みを増す上で極めて効果的に機能しました。
代表的な相違点として挙げられるのが、神木隆之介が演じた貴恵の弟・古沢友利の描かれ方です。原作以上にドラマ版では友利の挫折と再生が丁寧に掘り下げられ、彼が手掛ける漫画を通じて姉への感謝や別れが美しくリンクしていく構成が取られました。
また、後半の焦点となる「なぜ貴恵は万理華の体を借りて現れたのか」という霊的・心理的理由についても、ドラマ版では白石千嘉(吉田羊)と娘・万理華の歪んだ母子関係の救済と密接に結びつけられました。新島家が喪失を乗り越えるプロセスと、白石家が真の家族愛を取り戻すプロセスが表裏一体となって進行するプロットは、テレビドラマならではの優れた翻案といえます。