実際に手紙を受け取った人々は、どのような感情を抱いているのでしょうか。SNS上の投稿や大手コミュニティサイト、手紙イベント参加者の手記を分析すると、一筋縄ではいかない人間の生々しい心理が浮き彫りになります。
最も顕著な反応は、「最初の気恥ずかしさと、その直後に押し寄せる激しいカタルシス」です。
ある大手ネット掲示板の検証スレッドでは、「高校の卒業時に書いた手紙が28歳で届いたが、当時の痛々しいポエム調の文章に悶絶した。しかし読み進めると、『どんなに泥臭くてもいいから、笑って生きていて』と書いてあり、ブラック企業で擦り切れていた心が音を立てて崩れ、夜中に一人で泣いた」という告白が大きな反響を呼びました。
一方で、手記やインタビューからは「予期せぬ落胆」の事例も散見されます。
「10年前の自分が書いた『結婚して子どもは何人いて、年収はいくらになっているはず』という手紙を受け取ったが、現実は独身で非正規雇用。過去の自分から責め立てられているような気分になり、読んだ直後に破り捨ててしまった」という痛切な体験談です。
現場取材を通じて見えてきたのは、過去の自分を「口うるさい親」にしてしまうか、「最も心強い理解者」にできるかは、執筆時に自分への共感力を込められたかどうかにかかっているという冷然たる事実です。