音楽心理学の観点から見ると、RADWIMPSの音楽はリスナー自身の「私小説的記憶」と強固に結びつく特性を持っています。そのため、カバー音源を受け入れるにあたっては個々人の受容スタンスに応じた向き不向きが存在します。
RADWIMPSのカバー音源を積極的に聴くべき人の条件
- 楽曲の新たな側面や音楽的構造を深く味わいたい人:ジャズアレンジやアコースティック編成、女性キーへのトランスポーズによって、コード進行の美しさやメロディラインの秀逸さを再発見できます。
- 映画や映像作品の世界観に深く浸りたい人:上白石萌音のように、物語の当事者が歌うことで生まれるコンテクスト(背景・文脈)の深まりを楽しみたいリスナーに最適です。
- 合唱やアンサンブルのダイナミズムを求める人:『正解』をはじめ、大人数の一体感やハーモニーの広がりから得られる情動的カタルシスを好む人におすすめです。
原曲のみに留まり、カバー音源には慎重になるべき人の条件
- 野田洋次郎の「声の揺らぎ・生々しさ」に強く感情移入している人:ピッチの完璧さや洗練されたボーカルテクニックよりも、原曲の衝動性や切迫感を重視する場合、整音されたカバーに違和感を覚える可能性があります。
- 青春期の思い出と原曲テイクが不可分に結びついている人:特定の時期に聴き込んだ記憶が強固であるほど、アレンジの差異が心理的ノイズとなるケースがあります。