現在、移行作業の主役となっているのが「クイックスタート (Apple Quick Start)」です。古い端末と新しい端末を隣同士に並べるだけで、Wi-FiとBluetoothを介して直接データを丸ごとクローン転送できます。Apple Inc.の最高経営責任者であるティム・クック (Tim Cook)が目指す「摩擦のないユーザー体験」を象徴する機能といえます。
しかし、このクイックスタートにも明確な落とし穴が存在します。最も多いトラブルが、新旧端末間で生じる「iOSのバージョン不一致」です。新しいiPhoneにプレインストールされているiOSが古い端末のバージョンより古い場合、途中で強制的なソフトウェアアップデートが挟まり、転送が無限ループに陥ることがあります。
これを防ぐためには、古い端末側を最新のiOSにアップデートしておくことはもちろん、新しい端末を一度「新しいデバイス」として簡易セットアップしてiOSを最新化し、再度リセットをかけてからクイックスタートを実行するというひと手間が、結果的に最も確実な近道となります。