精肉現場のプロフェッショナルが肉質、筋繊維の密度、歩留まり、味の芳醇さを多角的に検証した、実力派の牛肉赤身部位ランキングをご紹介します。
牛1頭からわずか3%しか取れない牛ヒレ肉の特徴は、生涯を通じてほとんど動かさない筋肉(大腰筋)であるため、筋膜や結合組織が極端に少なく、箸で切れるほどの柔らかさを誇る点です。脂肪分が少なくても一切のパサつきを感じさせない王道部位といえます。
続いて、モモの希少部位であるシンシン部位の特徴は、シンタマと呼ばれる大きな塊の中心に位置し、きめ細やかな舌触りと上品な肉汁を併せ持つ点にあります。脂っぽさを嫌う食通から「ヒレより味が深く、モモより柔らかい」と絶大な支持を集めています。
腰からお尻にかけて位置するイチボの肉質と味は、運動量が適度にあるため肉の味が濃く、表面に上質な脂が乗っているのが特徴です。噛むほどに旨味が溢れ出る力強さがあり、肉本来のコクを堪能したいときに外せません。
対照的な存在として知られるのが、断面が亀の甲羅に似ているカメノコの肉質です。脂質が極めて少なく繊維が密に詰まっており、厚切りで加熱しすぎると硬さが出やすいものの、薄切りにしてサッと火を通せば赤身本来の清々しい鉄分と旨味がダイレクトに広がります。
モモ系の中で最も霜降りが美しく入るトモサンカクの赤身霜降りは、カルビのような濃厚なジューシーさと、モモ肉特有のしっかりした旨味が共存するハイブリッドな部位として人気を博しています。