この街の景観と人の流れを決定づけたのは、2000年に完了した仙石線地下化プロジェクトだった。仙台駅から苦竹駅手前に至る線路を地下へと潜らせたこの一大事業は、かつて地域を南北に分断していた開かずの踏切群を根絶。慢性的な交通渋滞を過去のものへと追いやった。
日本の鉄道インフラ産業が積み上げてきた土木・保線技術の粋は、20年以上が経過した現在も陸前原ノ町駅の堅牢な運行を支えている。地上を走る車の喧噪と切り離された地下ホームは、猛暑や厳冬の影響を受けにくいシェルターのような快適さを提供。かつての線路跡地が幹線道路や緑地歩道へと姿を変えたことで、駅を中心とする東西南北の回遊性が劇的に改善された。インフラの刷新が数十年越しで街の骨格を強靭にし続けている好例だろう。