インターネット上の検索コミュニティやSNSでしばしば見受けられるのが、「変体仮名の『変体』とは何か奇異なもの、異常なものを意味しているのか」という初歩的な誤解です。
漢字の成り立ちにおいて、「変体」とは単に「通常(標準)と異なる字体・形態」を意味する学術用語(異体字と同義)に過ぎません。明治政府が一音一字の原則を採用した際、便宜上「標準に選ばれなかったグループ」を指す言葉として定着したものであり、文字そのものに優劣や異常性があったわけではありません。むしろ、前後の筆勢や情緒を表現するために生み出された、日本書道史における最高峰の洗練の産物です。