本作を語る上で外せないのが、当時の日本のアニメーション産業を牽引していた精鋭スタッフたちの執念だ。監督を務めた真崎守は、過酷な史実を安易なエンターテインメントに昇華させることなく、映像としての美しさと凄惨さを絶妙なバランスで共存させた。
アニメーション制作を手掛けたマッドハウスは、セル画の一コマ一コマに魂を込め、爆風の波及や建物の崩壊プロセスを緻密に描写。1983年に公開された劇場版 はだしのゲン (1983年)は、その妥協なき作画技術と圧倒的な表現力によって、海外の国際映画祭でも絶賛を浴びる名作となった。