現在でこそマスク姿がトレードマークとして定着していますが、着用を始めた理由は単なるタレント的な演出ではありません。清野氏自身のエッセイ漫画やインタビューによると、そのルーツは思春期に抱えた強い強迫観念やトラウマにあります。
小学生から中学生の頃、自分の口から異様な口臭が出ているのではないかという恐怖心や、無意識に口元が歪んでしまうチック症状(トゥレット症候群の傾向)に激しく悩まされた時期がありました。「他人に口元を見られるのが耐えられない」という精神的な防衛本能から口元を覆うようになり、それがやがて精神的な安定を保つための不可欠なパーソナルスペースとなった経緯があります。
若い頃から繊細で傷つきやすい内面を抱えていた清野氏にとって、マスクは外の世界と自らの表現活動を繋ぎ止めるための「鎧」であり、表現者としてのアイデンティティそのものと言えます。