ネット上の掲示板や旅行コミュニティでは、「皇居は閉鎖的な空間で外から眺めることしかできない」という誤解が散見されます。しかし、前述の一般参観や東御苑の一般開放に加え、年2回の皇居乾通り一般公開の存在を知れば、その印象は大きく変わるはずです。
乾通り一般公開は、平成26年の上皇陛下傘寿(80歳)を記念して始まって以来、春の桜と秋の紅葉の時期に実施されている特別な行事です。普段は宮内庁関係車両や公用車しか通れない坂下門から乾門に至る約750メートルの並木道が一般開放され、通り抜けが可能になります。手荷物検査と金属探知機による厳格なセキュリティチェックが行われますが、事前登録なしで皇居の深部を彩る自然美を堪能できます。
一方で、明確にしておくべき「非公開エリアの真相」もあります。天皇皇后両陛下がお住まいになる「御所」や、宮中祭祀が執り行われる「宮中三殿(賢所・皇霊殿・神殿)」、宮殿内部の執務室などは、国家最高レベルの警備と皇室のプライバシー保持のため、いかなるツアーでも立ち入ることはできません。一般参観で見学できるのは、あくまで宮殿の外観や指定された中庭通路に限られています。この境界線を正しく理解しておくことが、見学時の失望を防ぐポイントです。