彼の真骨頂が遺憾なく発揮された代表作として、映画『すばらしき世界』は外せない。名優・役所広司演じる元受刑者を追う若手テレビディレクター役を務め、葛藤と成長を静かな情熱で表現した。観客の視点を代弁するような繊細な揺らぎは、作品に深い余韻をもたらした。
一方で、ドラマ『コントが始まる』で見せた挫折に喘ぐお笑い芸人の姿も記憶に新しい。不器用で、惨目で、それでも笑って前を向こうとする等身大の若者像。感情の起伏をエモーショナルに体現する力は、人間描写を中心としたヒューマンドラマにおいて唯一無二の輝きを放つ。