こうした急激な構造変化に対し、学術的な解釈と制度設計の再構築が急務となっている。図書館情報学の権威である東京大学名誉教授の根本彰氏は、図書館が単なる「本の無料貸出所」として機能してきた近代的なモデルが曲がり角を迎えていると指摘する。
自治体の公共政策という視点からも、厳しい財政状況下で公立図書館の存在意義をどう再定義するかが鋭く問われている。単なる貸出冊数や来館者数の多寡を主要な指標とする時代は終わりを迎えた。市民の生涯学習の支援、地域コミュニティの再構築、さらには市民の情報リテラシー向上といった多様な価値をいかに可視化し、政策に反映させるかが今後の生命線となる。