二階堂ふみという女優の覚悟を決定づけたのが、日本映画の歴史に深く刻まれた幾多の過激作だ。映画『私の男』で見せた、思春期の危うさと圧倒的な生命力が同居する佇まいは、第38回日本アカデミー賞優秀主演女優賞をはじめ数々の賞賛を浴びた。雪景色の中で剥き出しになる感情と肉体は、ただ美しいだけでなく、観客の胸を抉るような生々しさを放っていた。
さらに岡崎京子原作の実写化『リバーズ・エッジ』では、90年代の閉塞感を生きる少女を体現。露出を恐れず、むしろ物語の核として自身の肉体を差し出す姿は、若手実力派としての評価を不動のものにした。彼女にとって身体表現とは、キャラクターの内面を観客の網膜へダイレクトに焼き付けるための、最も鋭利な武器なのだ。