山田和樹氏の音楽的バックボーンを振り返ると、その成功が緻密な基礎の上に築かれたものであることが分かります。神奈川県秦野市に生まれ育った山田氏は、幼少期からピアノや合唱に親しみ、音楽の道を志しました。
東京藝術大学音楽学部指揮科へ進学した山田氏は、小林研一郎氏、松尾葉子氏といった日本を代表する名匠たちに師事。大学在学中からオーケストラのみならず合唱団の指導にも深く関わり、自ら「横浜シンフォニエッタ(旧称:TOMATOフィルハーモニー管弦楽団)」を立ち上げるなど、実践的な指揮活動を精力的に展開しました。
世界への扉を劇的に開いたのが、2009年に開催された第51回ブザンソン国際指揮者コンクールです。かつて小澤征爾氏が優勝したことで知られるこの世界的登竜門において、山田氏は見事に優勝(グランプリ)および聴衆賞をダブル受賞。審査員のみならず、会場を埋め尽くした一般聴衆の心を一瞬で掴んだこの瞬間から、彼の世界規模での快進撃が幕を開けました。