フランス共和国の法制度上、アメリカの「ファーストレディ」のような憲法上の公式な役職や公的予算は存在しません。しかし、2017年の大統領就任時に発表された「透明性憲章」に基づき、ブリジット夫人には執務室と小規模なスタッフが配属され、公的な活動領域が明確化されました。
彼女が最も力を注いでいるのが、学校におけるいじめ問題(ハラスメント)の撲滅、教育格差の是正、障害者支援、そして成人向け職業訓練校(LIVE)の運営です。元教師としての現場感覚を活かし、官僚主導の政策では拾いきれない現場の声を直接大統領に届けるパイプ役を果たしています。政権幹部への取材報道によると、マクロン大統領は毎晩の執務終了後、夫人と忌憚のない意見交換を行うことを日課としており、彼女は「政権内で唯一、忖度なしに大統領に苦言を呈することができる最側近」と目されています。
また、彼女の洗練されたファーストレディ ファッションは、フランスのモード産業を世界に発信する強力な外交ツールです。世界的ラグジュアリーブランド「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のアーティスティック・ディレクターであるニコラ・ジェスキエールが手がけるクチュールを公務で着用し、ミニ丈のドレスやシャープなテーラードジャケットを堂々と着こなすスタイルは、シニア女性の既成概念を覆すアイコンとして国内外で絶大な支持を得ています。