L'Arc〜en〜Cielの映画史を語る上で欠かせないのが、ヴォーカリスト・hydeの俳優としての映画出演です。音楽界で築き上げた圧倒的な美意識とカリスマ性は、2000年代初頭の日本映画界に鮮烈なインパクトを与えました。
2003年に公開された映画『MOON CHILD』では、盟友・GACKTとのダブル主演が実現。近未来のアジアの架空都市を舞台に、hydeは吸血鬼(ヴァンパイア)であるケイ役を熱演しました。公の場で見せた繊細な表情のニュアンスやアクションシーンは、単なるアーティストの客演を超え、映画全体の持つデカダンな空気感を決定づけました。
翌2004年には、矢沢あいの人気漫画を映画化した『下弦の月〜ラスト・クォーター』にメインキャストのアダム役として出演。劇中では自身のソロ楽曲「THE CAPE OF STORMS」が物語のキーとなる楽曲として使用され、哀しい運命を背負ったミュージシャン役を神話的な存在感で演じ切りました。これらの作品は今なお熱狂的なカルト人気を誇り、映画ファン・音楽ファンの双方が再評価を寄せるマスターピースとなっています。