本作がこれほどまでに息の長い支持を獲得した背景には、ステージ上での五木ひろしのパフォーマンスと、カラオケ愛好家を惹きつける音楽的仕掛けが存在します。
特筆すべきは、歌唱時に披露された軽快なステップです。従来の演歌といえば、直立不動でこぶしを効かせるか、厳かな所作で情感を表現するのが通例でした。しかし五木は、マイク片手にリズムに合わせて軽やかに腰を揺らし、ステップを踏むダンススタイルを導入しました。この粋でダンディな姿がテレビ番組を通じて放映されると、中高年層の間で「五木さんのようにステップを踏みながら歌いたい」というムーブメントが勃興したのです。
全国のカラオケ喫茶やスナックでは、サビのフレーズに合わせて手拍子を打ちながら左右にステップを踏む客が続出しました。単に聴くだけの鑑賞曲から、身体を動かして参加する「体験型歌謡曲」へと進化したことが、ロングヒットの強固なエンジンとなりました。
さらに、楽器演奏者やアコースティック愛好家の視点からも支持を集めています。楽曲のコード進行を分析すると、キーはAm(イ短調)を基調としたブルース/マイナーポップスの王道展開で構築されています。
【Aメロ】 Am | Dm | E7 | Am 【Bメロ】 Dm | G7 | C | E7 【サビ】 Am | Dm | E7 | Am (※後半のキメ:Dm E7 Am)
このシンプルかつ黄金比とも言えるコード設計により、ギターやキーボードで簡単に弾き語りができる点も強みです。エレキギターの印象的なリフをアコースティックギターで模倣する愛好者が増え、YouTubeやSNS上には数多くのアマチュアによる演奏動画やカバー動画が投稿され続けています。