トッピングの拡充が叫ばれる一方で、ネットコミュニティやSNS(旧Twitterや5ちゃんねる等)を定点観測すると、「ざるラーメンはあえて具なし(ノー・トッピング)で食べるのが至高」と主張する熱心なファン層が一定数存在します。このざるラーメン具なしが好まれる理由を単なる「手抜き」や「手間の削減」として片付けることはできません。
現場の愛好家たちが語る生の声を検証すると、以下の心理的・感覚的要因が浮かび上がってきます。
「有名製麺所が販売している特製ちぢれ麺は、氷水でしっかり締めたときの小麦の甘みとコシが素晴らしい。具材をたくさん入れると、麺自体の繊細な風味が具材の油やタレにかき消されてしまう」(30代男性・ラーメン愛好家)
「仕事で疲れ果てた真夏の夜、複雑な味を処理したくない。冷たい麺を鰹だしのつゆにサッとくぐらせ、喉越しだけを味わって無心で流し込みたい瞬間がある」(40代女性・WEBディレクター)
ここに見られるのは、現代人の「感覚的オーバーロード(情報過多・刺激過多)からの避難」という食行動心理です。複雑化・濃厚化が進みすぎた現代のラーメンカルチャーに対するアンチテーゼとして、ざるラーメン本来の「喉越し」と「小麦の芳香」という原初の快感に回帰したいという欲求が具なし派を支えています。具材を足す際も「麺本来の喉越しを阻害しないこと」を絶対基準として選定することが極めて重要です。