耳の聞こえが低下する背景には、内耳にある蝸牛(かぎゅう)や有毛細胞への血流不足、そして加齢に伴う組織の変性がある。特に60代以降で顕著になる加齢性難聴は、内耳の毛細血管が硬化し、音の振動を電気信号へ変換する細胞が衰えることで進行する。現代社会においては、過度なストレスや首肩のこりが血流障害に拍車をかけている。
ここで注目されるのが、数千年の臨床知見を持つ東洋医学の知恵だ。身体を巡る経絡の流れをスムーズにし、局所の血行不良を改善する経穴・ツボ療法は、西洋医学的アプローチを補完する手立てとして国際的にも関心が高まっている。世界最大級の医学文献データベースPubMedに収載された最新の研究論文でも、耳周りの経穴への適切な刺激が内耳の微循環を促進し、聴覚誘発電位の改善に寄与することが実証されている。