ネット上の掲示板や知恵袋などでは「メンバー同士の確執があったのではないか」「運営との衝突があったのか」といった推測が長年飛び交ってきました。しかし、一次資料や当時の各メンバーの肉声、卒業公演での発言を照合すると、脱退の引き金となった決定的な理由はより現実的かつ前向きな進路選択にあります。
1. 山﨑悠稀:音楽性の分岐と「自分自身の表現」への渇望
2018年6月15日、公式ファンクラブサイト上で「2018年6月30日をもってM!LKを卒業し、事務所を退所する」旨が電撃発表されました。卒業公演を行わない異例の形だったためファンコミュニティには激震が走りました。
公式発表資料および本人の手記では、「自分の目指す音楽の形を追求したい」「新しい夢に向かって一歩を踏み出したい」という意志が明記されています。メインボーカルの一角を担っていた山﨑は、グループが掲げる王道アイドルポップス路線と、自身が深く傾倒していたR&Bやネットカルチャー発の音楽表現との間にギャップを感じていました。高校卒業という人生の節目において、妥協なく個人の表現者として生きる道を選んだのが脱退の真相です。
2. 板垣瑞生・宮世琉弥:2020年1月「同時卒業」の裏にあった撮影現場の過酷さ
2019年11月、M!LKは板垣瑞生と宮世琉弥が2020年1月31日の豊洲PIT公演をもってグループを卒業することを発表しました。初期からの功労者である板垣と、新星として期待を集めていた宮世が同時に去るという事態は、当時のファンに計り知れない衝撃を与えました。
公式リリースや卒業特番インタビューで明かされた理由は「役者業に専念するため」です。当時、板垣は映画『ソロモンの偽証』での新人賞受賞を皮切りにドラマや映画の主演級オファーが相次いでおり、宮世も映像界のプロデューサー陣から演技力を絶賛されていました。
連続ドラマや映画の現場は数カ月間にわたり早朝から深夜まで拘束されます。一方でボーイズグループの活動は全国ツアー、週末のリリースイベンツ、長時間のダンスリハーサルが必須です。当時の関係者によると、「睡眠時間を削って両立を模索したものの、どちらの現場にも100%の力を注げない葛藤」が限界に達していました。中途半端な状態で仲間や作品に迷惑をかけたくないという強いプロ意識が、役者一本への退路を断った決断を後押ししたのです。