麻生羽呂による原作コミックと、佐藤信介監督がメガホンをとったNetflixドラマ版では、物語の根幹を保ちつつも映像メディアとしてのダイナミズムを高めるための重要な変更が加えられています。
最大の相違点の一つは、キャラクターの配置と心理描写の密度です。原作ではアリスがビーチに辿り着く前に様々な人物(ドードーなど)との邂逅がありますが、ドラマ版ではアリスとウサギの関係性に焦点を絞り、親友を失ったアリスの喪失感とそこからの再生がドラマチックに強調されました。
また、アクションシーンとバイオレンスのスケール感もドラマ版で大幅に強化されています。特にニラギが屋上からアサルトライフルを乱射するシーンや、ラスボス(日本刀使いの武闘派)とクイナの肉弾戦は、実写ならではのスピード感と痛烈なリアリティが追求されました。さらに、ドラマ版のシーズン1最終話では、ビーチ崩壊後に地下鉄跡でアリスたちがミラの映像による「絵札のステージ開幕宣言」を目撃するシーンへとシームレスに繋がり、次なる絶望へのクリフハンガーが見事に構築されています。