ご祈祷を受ける際、最初に悩むのが表書きの名目です。「祈祷料」「初穂料」「玉串料」という言葉が混在しており、どれを使えば失礼にあたらないのか判断に迷う方が多く見受けられます。結論から言えば、祈願を受ける場所が「神社」か「お寺」かによって使い分けを行うのが最も確実なルールです。 神道と仏教では信仰の対象も儀礼の意味合いも異なります。まずは各名目の由来と、持参する場所に応じた適切な使い分けを把握しておきましょう。
「祈祷料」「初穂料」「玉串料」の違いと使い分け
* 初穂料(はつほりょう):【神社専用】 その年に初めて収穫された稲穂(初穂)を神前に供えて感謝を捧げていた古代の風習に由来します。農耕儀礼から転じて、現在では神社の祈祷全般、お祓い、お守りや神札の授与に対する謝礼として最も広く使われる表書きです。 * 玉串料(たまぐしりょう):【神社専用】 神事の際に神前に捧げる、榊(さかき)の枝に紙垂(しで)を付けた「玉串」の代わりに納める金包みを指します。祈願全般のほか、地鎮祭や神葬祭(神道のお葬式)などでも用いられます。 * 祈祷料(きとうりょう):【お寺・寺院が基本(神社でも可)】 仏前で読経や護摩焚きなどの祈祷を行ってもらう対価として納める名目です。成田山新勝寺や川崎大師などの寺院で厄除けや護摩祈祷を受ける際は「祈祷料」または「お布施」と書くのが正式です。神社で「祈祷料」と書いても受け取ってもらえないわけではありませんが、神道本来の観点からは「初穂料」とするのがスマートです。
表書きの上下の配置ルール
封筒の表面には、水引の結び目を基準として上段と下段に文字を配置します。 * 上段中央:「御初穂料」「御祈祷料」「御玉串料」などの名目を、水引に重ならないよう少し大きめの文字で書きます。 * 下段中央:祈祷を受ける本人の氏名をフルネームで書きます。上段の文字よりもやや小さめに書くと全体のバランスが整います。
七五三祈祷料の連名と子供の名前の書き方
七五三やお宮参りのご祈祷では、下段に誰の名前を書くべきか迷うケースが目立ちます。ご祈祷を受ける主体は子どもであるため、子どもの名前を書くのが原則です。 社務所側の受付台帳や神職が祝詞(のりと)を奏上する際、封筒に書かれた名前を読み上げるため、読み間違いを防ぐ配慮が欠かせません。名前の横に小さく「ふりがな」を添えておくと非常に親切です。 兄弟・姉妹で一緒に祈祷を受ける連名の場合は、右側に上の子、左側に下の子の名前を並べて書きます。姓は中央に一つだけ書き、それぞれの名前を等間隔で配置してください。初宮参りなどで親の世帯主名と併記したい場合は、中央に父親の氏名を書き、その左隣に「(子:〇〇)」と書き添える形式も取られます。