社会保険料の免除を受けるためには、単に会社を休むだけでなく、健康保険法および厚生年金保険法に定められた明確な法的基準をクリアしなければなりません。かつて話題となった「月末に1日だけ育休を取ればその月全体の保険料が免除される」という手法は、法改正によって大幅に見直されています。
現行制度において押さえるべき根幹は、月単位で適用される育休月末取得ルールの真相です。社会保険料の免除要件は、以下のいずれかを満たした場合に成立します。
- 条件A(月末基準):その月の「末日」時点で育児休業を取得していること。
- 条件B(日数基準):同じ月の中で、開始日と終了日の両方が含まれる育休を取得し、その休業日数の合計が「14日以上」であること。
短期間の育休を取得する男性(産後パパ育休・出生時育児休業など)が増加したことを受け、現在は「月末の在籍」がなくても、月内に通算14日以上の休業を取得していれば、その月の給与にかかる社会保険料は全額免除されます。これにより、企業の業務都合に合わせて月半ばに2週間の育休を柔軟に取得した社員も、不公平なく免除の恩恵を受けられる仕組みへと改善されました。
一方で、極めて厳格化されたのが育休ボーナス社会保険料免除のルールです。過去には、賞与月の末日だけ育休を取得して数十万円のボーナス保険料の支払いを回避する抜け穴利用が横行したため、現在は明確な防壁が敷かれています。賞与月に支給されるボーナス分の社会保険料を免除させるためには、「賞与月に1か月を超える連続した育児休業を取得していること」が絶対条件です。
例えば、6月10日に賞与が支給される場合、6月15日から7月10日までの休業(1か月未満)では、月末在籍を満たしていても6月分の給料の保険料は免除されますが、賞与分の保険料は免除されず通常通り天引きされます。賞与の保険料まで免除対象とするには、6月1日から7月2日など「暦日で連続して1か月を超える期間」の休業が必須となる点に、細心の注意を払わなければなりません。