検察側は3名に対する殺人罪および点滴袋損壊などで死刑を求刑しましたが、2021年11月の横浜地裁(一審)は無期懲役の判決を言い渡しました。その後の東京高裁控訴審でも一審判決が支持され、最終的に上告取り下げによって無期懲役が確定しています。
極刑が回避された最大の理由は、精神鑑定によって認められた被告人の「責任能力の程度」でした。弁護側は犯行当時、被告が自閉スペクトラム症(ASD)や適応障害による心神喪失または心神耗弱状態にあったと主張しました。判決では完全な責任能力は否定されたものの、ASDの特性による強いストレス回避行動が犯行に影響を与えたと判断され、「完全な自己決定に基づく犯行と同等に扱うことはできない」として、死刑の選択が躊躇されたのです。
また、被告が自白し反省の態度を示している点や、更生可能性が皆無とは言えない点も考慮されました。しかし、最愛の家族を理不尽に奪われた遺族側からは、あまりにも軽すぎる司法判断に対して強い怒りと無念の声が上がり続けています。