ことわざと慣用句の最大の違いは、「それ単体で完全な教訓・メッセージになっているか」それとも「文を彩る修飾パーツか」という点に集約されます。両者を見失ったときは、以下の2つの判定基準を使うと一瞬で識別できます。
まず1つ目の基準は「教訓(人生のアドバイスやり口)が含まれているか」です。ことわざの主目的は、昔の人の知恵や人生訓、社会の風刺を後世に伝えることです。「急がば回れ」「情けは人のためならず」のように、行動への戒めや真理を述べています。一方の慣用句には教訓の意味合いはなく、単に状態や心理を別の言葉に置き換えて表現する「比喩のツール」に過ぎません。
2つ目の基準は「文として独立できる文法構造」です。ことわざは「猿も木から落ちる」のように【主語+述語】が揃った1つの完成した文になっています。これに対して慣用句は「頭を抱える」「足が出る」のように、2つ以上の単語が結びついて特定の意味を持つ「連語(フレーズ)」の形を取るため、前後に言葉を補わないと文章が成立しません。