ここで、80年代中盤にリリースされたサザンオールスターズの人気曲群における本作の立ち位置を整理しておきましょう。
前年の『チャコの海岸物語』や『匂艶 THE NIGHT CLUB』で見せた歌謡ポップス路線から一転、1984年の『ミス・ブラン・ニュー・デイ』と翌1985年の2枚組大作アルバム『KAMAKURA』へと至る流れは、サザンが音楽的実験精神を極限まで発揮した時期にあたります。
王道のバラード『いとしのエリー』や夏を感じさせるポップスとは異なり、鋭利な批評性と先鋭的なビートを融合させた本作は、ロックバンド・サザンオールスターズの硬派な実力を世に見せつけた金字塔と言えます。