「しまっちゃうおじさんとは一体何者なのか?」という疑問に対する公式の回答は極めて明確です。彼は森の中に生息する実在の動物でも、ぼのぼのの父親の知り合いでもなく、ぼのぼのが日常の中で抱く不安や罪悪感が肥大化して現れる「脳内の妄想キャラクター」です。
作中において、ぼのぼのは極めて内省的で心配性なラッコの子供として描かれます。「もしお父さんの言いつけを破ったらどうなるだろう」「シマリスくんに意地悪をしたらどうなるだろう」と小さな不安を巡らせるうちに、思考が暴走し、制裁を下す執行人としてしまっちゃうおじさんを召喚してしまいます。つまり、彼が閉じ込められる洞窟や大岩の隙間は、ぼのぼの自身の内面にある「悪いことをした自分への罰」の具現化にほかなりません。
大岩で入り口を完全に塞がれ、外界から完全に遮断されるという描写は、精神分析学における「隔離不安(孤立への恐怖)」を直撃します。子供にとって親や仲間から切り離され、狭い空間に閉じ込められる状況は死に等しい恐怖であり、これが視聴者にとって直感的なホラーとして作用したのです。