そもそも、なぜ全身麻酔時に尿のカテーテル(正確には尿道留置カテーテル)が必要なのか。主な理由は2つある。1つは手術中の尿量を正確に測定して水分管理や心肺機能を監視するため、もう1つは手術中に膀胱が膨らんで執刀の邪魔にならないようにするためだ。
しかし、手術時間が2時間以内の短時間で終わるものや、出血量が少ない術式であれば、事前に排尿を済ませておくことでカテーテルを入れずに済むケースが増えている。麻酔科学会や日本手術看護学会の最新知見でも、不要なカテーテル挿入は可能な限り避けるべきだという指針が強調されるようになった。
超音波診断装置(ポータブルエコー)を用いて術中の膀胱内の尿量を非侵襲的にモニタリングする技術が定着したことも大きい。これにより、「念のため入れておく」という消極的な理由でのカテーテル挿入は急速に減少している。