大阪・福島駅から南へ数分歩くと、静かな通りに現れる「ラ・ピッツァ・ナポレターナ・レガロ」。多くの食通が「ここのピッツァを口にすると、今までの概念が覆る」と口を揃える最大の理由は、オーナーピッツァ職人である新谷亮人(しんたに・あきと)氏が持つ卓越した技術と哲学にあります。
新谷氏は本場イタリア・ナポリの名門で腕を磨き、現地で開催された「ナポリピッツァ職人世界選手権(カプート杯)」においてクラシカ部門で見事優勝を果たした正真正銘の世界チャンピオンです。当時、イタリア現地のメディアや関係者の間でも「東洋から来た若き職人がナポリの伝統を完璧に体現した」と大きな話題を呼びました。単なる肩書にとどまらず、粉の配合、水分の含有量、日々の気温や湿度に応じた微細な発酵管理に至るまで、徹底した理論と身体感覚が融合しています。
同店の心臓部ともいえるのが、店内に据えられた特注の薪窯です。約450度から480度という超高温に保たれた窯内へ滑り込ませた生地は、わずか60秒から90秒ほどで一気に焼き上げられます。外側は薪の香りをまとってパリッと香ばしく、コルニチョーネ(縁)は気泡をたっぷりと含んで驚くほどふんわり。中心部はみずみずしくジューシーに仕上がるこの食感こそが、同店が薪窯ナポリピッツァ人気の理由として語り継がれる最大の要因です。