本作の最大の魅力は、タイトル通り「周囲に見せる鉄壁の塩対応」と「押尾颯太にだけ向ける無防備な激甘対応」の圧倒的なギャップにあります。物語の骨子と、二人の関係がどのように深化していくのか、重要エピソードのネタバレを交えて整理します。
物語の発端は、誰もが認める学園の美少女でありながら、男子生徒からのアプローチを冷酷に切り捨てることから「塩対応の佐藤さん」と恐れられる佐藤こはると、ごく普通の男子高校生・押尾颯太の出会いです。周囲からは近寄りがたい高嶺の花と見なされているこはるですが、実は極度の人見知りで不器用、素直な感情表現が苦手なだけのピュアな少女でした。
放課後、偶然立ち寄ったカフェでアルバイトをするこはるの素顔を知った颯太は、彼女の不器用な優しさに気づき、自然体で接するようになります。周囲に壁を作ってきたこはるにとって、偏見なく接してくれる颯太の存在は唯一無二の「安全地帯」となり、次第に彼に対してだけは隠していた甘えん坊な一面を全開にしていくことになります。
物語が進むにつれ、二人の関係は「放課後の秘密の共有」から、お互いの過去や家庭環境、将来の悩みを打ち明け合う深い絆へと発展します。修学旅行や文化祭、季節のイベントを通じて、颯太への恋心を自覚したこはるのアプローチは苛烈さを増し、読者の糖度許容量を軽々と突破していきます。単なるイチャイチャにとどまらず、「他者と関わることへの恐怖」を抱えていた二人が、互いを支え合うことで精神的に自立し成長していく結末への歩みこそが、本作が長く愛される本質的な見どころです。