昭和から平成初期にかけて起きた二大疑獄事件として、1988年の「リクルート事件」と1992年の「東京佐川急便事件」は並び称されます。しかし、その本質と構造には大きな違いが存在します。
リクルート事件は、未公開株(リクルートコスモス株)の譲渡を通じ、政・官・財のトップ層に合法的な外見を装って巨額のキャピタルゲインをばらまいた「構造的贈収賄」でした。富裕層ビジネスの延長線上にあり、制度の隙間を突いた金権腐敗が焦点でした。
対して東京佐川急便事件は、生々しい現金裏金の授受にとどまらず、暴力団や右翼団体といった「反社会的勢力の実力」を権力抗争の調停に直接利用した点に決定的な違いがあります。政治の透明性だけでなく、国家統治の正当性そのものが裏社会に依存していたという病理が浮き彫りになった事件でした。