見た目のコンプレックスだけでなく、物理的な苦痛も彼女を苦しめた。左右の骨格のズレは激しい噛み合わせの悪さを引き起こし、日常的な頭痛や肩こり、自律神経の乱れとなって彼女の体調を蝕んだ。事態を打開するため、彼女は長年にわたる本格的な歯列矯正や、骨格調整のための再手術など、痛みを伴う治療を何度も重ねた。
だが、どれほど現代医療を駆使しても、人間の身体を寸分狂わぬ「左右対称」に仕立て直すことは不可能に近い。ある時期を境に、彼女の中で決定的な意識の変革が起きる。「完璧な形」を追い求めるあまり自分を責めるのをやめ、ありのままの自分の骨格を受け入れて生きる覚悟を決めたのだ。執着を手放した瞬間、長年の呪縛から心が解放された。