「遠くのものは小さく、近くのものは大きく見える」。このシンプルな光学現象を体系化したパース(透視図法)は、15世紀のイタリア・ルネサンス期に確立されて以来、絵画や建築の進歩を支え続けてきた。現代のデジタル環境においてもその原理は全く変わらない。
建築業界では、未完成の建物をクライアントに提示する「建築パース」がプレゼンテーションの成否を分ける。一方、アニメやゲーム業界では、キャラクターの存在感や空間の広がりを演出するために、幾何学的な正確さだけでなく意図的な歪みや強調を取り入れた表現が多用されている。用途やメディアが変われど、空間をコントロールする術としての意義は不変だ。