元東京高検検事長ら外部の有識者で構成された特別調査委員会の報告書は、日野自動車の病巣を容赦なくえぐり出しました。報告書の中で明確に結論付けられたのは、「経営陣が現場の実態を把握せず、過去の成功体験に固執して現場に過度な負担を丸投げしていた」という経営責任の重さです。
調査委員会のヒアリングでは、社員から悲痛な声が相次ぎました。「上司の意向に反する意見を言えば左遷される」「数値目標は絶対であり、達成できない理由を説明することは言い訳として断罪された」といった証言が記録されています。上意下達が徹底されすぎた結果、下流部門である開発現場は経営層への反論権を完全に奪われていました。
さらに報告書は、過去のリコール隠しなどの不祥事を経験していながら、実質的な組織風土改革を先送りにしてきた経営陣の不作為を厳しく批判。経営陣の危機意識の欠如と、現場を心理的恐怖で縛り付けるマネジメントが結託した結果が、未曾有の不正劇を招いたと断定しています。