『テラフォーマーズ』に登場するゴキブリ――テラフォーマーとは、単に読者を驚かせるための安直なモンスターではありません。人類が便宜上見下し、踏み躙ってきた「害虫」という存在が、もしも人間の持つ肉体的合理性と道具運用能力を手に入れたらどうなるかという、生命進化の究極のパロディであり警鐘です。
人間側が己の体を異形の昆虫や天敵生物へ改造する手術(バグズ手術、M.O.手術)に手を染め、生命倫理の限界を踏み越えてまで立ち向かわねばならない構図は、読者に「人間を人間たらしめているものは何か」を鋭く問いかけます。休載という長い沈黙を破り、クライマックスへと突き進む現在だからこそ、彼らが辿った進化の軌跡と「じょうじ」という声に込められた凄絶なドラマを、改めて単行本や本誌のページから体感してみてください。 (出典: テラフォー マーズ ゴキブリ(Yahoo!ニュース))