過酷なセントラル・リーグの戦いにおいて、彼の采配は常に異彩を放っていた。従来の日本野球が重んじる「経験則」や「流れ」という曖昧な言葉を退け、数字が示す確率論を徹底して戦術に落とし込んだ点が最大の特徴だ。
打順の組み替え方一つをとっても、セイバーメトリクスに基づいた柔軟なオーダーを次々と提示した。8番打者に投手を置く奇策や、相手投手の左右に合わせた大胆な日替わり打線。当時のライバルチームの首脳陣を大いに困惑させた戦術の数々は、今や球界の標準になりつつある。時代の一歩先を行くその思考法こそが、彼が指揮官として評価され続ける最大の理由である。