名作の土台にあるのは、漫画家・山田貴敏による同名コミックの力強さだ。孤立無援の離島という極限状態の中で、人はどのように他者と繋がり、生きていくのか。単なる医学的知識の誇示ではなく、人間そのものの尊厳を描いた原作の魂を、ドラマスタッフは見事に実写映像へと結実させた。
医療の限界、過疎化、高齢化といった現実的な社会課題を取り込みながらも、根底に通底するのはぬくもりのあるヒューマンドラマだ。風光明媚な与那国島の景色と共に描き出された人間模様は、時代が移り変わっても決して風化しない普遍性を備えている。だからこそ、放送から何年が経過しても新たな視聴者の心を掴んで離さない。