織田裕二という存在は、競技としての陸上を一般層へ普及させるうえで計り知れない貢献を果たした。彼が発する情熱的な言葉や選手へのリスペクトは、日本陸上競技連盟の関係者や現役のアスリートたちからも高く評価されていた。地上波のゴールデンタイムで陸上競技がこれほど高い視聴率を獲得できたのは、間違いなく彼の存在感と感情豊かなリポートがあったからに他ならない。
彼の降板は、日本のスポーツメディアにとっても大きな転換点となった。「タレントがスポーツ中継に関わる意義とは何か」という根源的な問いに対し、織田は25年かけて「専門知識を超えた熱量と共感」という一つの回答を示した。彼が去った後の放送スタイルに対し、一部の視聴者からは「解説はおとなしくなったが、かつての胸が熱くなるような興奮が恋しい」という声も根強く上がっている。