最低賃金には、すべての労働者に適用される「地域別最低賃金」のほかに、特定の産業に従事する労働者を対象とした愛媛県 特定最低賃金(産業別最低賃金)が定められています。これを見落とすと、企業側は意図せぬ法令違反(最低賃金法違反)に陥るリスクがあります。
愛媛県では、以下の基幹産業等に対して個別の特定最低賃金が設定されています。
- パルプ・紙・紙加工品製造業(四国中央市などの紙産業クラスター)
- 船舶製造・修理業、船用機関製造業(今治市などの造船関連産業)
- 電子部品・デバイス・電子回路製造業
- 各種商品小売業
特定最低賃金は通常、地域別最低賃金よりも高額に設定されます。ただし、地域別最低賃金の大幅改定によって金額が逆転した場合は、より高い金額である地域別最低賃金が優先適用されます。雇用契約を結ぶ際は、自社の業種が特定最低賃金の対象か、最新の改定額がどちらを下回っていないかを愛媛労働局 最低賃金 改定の公式公報で必ず確認しなければなりません。
【プロの結論】愛媛で働く人・雇う人がとるべき賢明な判断基準
労働市場の構造変化が進む愛媛県において、個々の労働者と企業経営者が取るべき方針は明確です。
【働く側(労働者)の基準】
・現状維持に慎重になるべき人:「扶養内だから」と何も考えずにシフトに入り続け、手取り減や税負担の急増を招いてしまう人。
・積極的に動くべき人:最低賃金の上昇を好機と捉え、時給1,100円以上の高待遇職種へシフトチェンジしたり、社会保険完備の長期安定雇用(キャリアアップ)を目指す人。
【雇う側(経営者・人事)の基準】
単なる人件費コストの上昇として受け身になるのではなく、業務効率化やDX推進、価格転嫁による付加価値向上を同時に進められない事業所は、急速に採用競争力を失っていきます。国の助成金(業務改善助成金やキャリアアップ助成金)をフル活用し、給与引き上げと生産性向上をセットで実現することが持続可能性の唯一の道です。