「なぜ、日々の生活を支える道路が突如として足元から崩れるのか」——誰もが抱くこの疑問の根底には、高度経済成長期に集中的に整備された日本のインフラが、一斉に耐用年数を迎えているという構造的問題がある。
全国の道路下に埋設された管路や橋梁、トンネルの多くは建設から50年以上が経過している。特に高度経済成長を支えた主要幹線は、増大する交通量と大型車両の通過によって日常的に強い疲労荷重に晒されてきた。表面上の舗装補修にとどまり、目に見えない地下深くの老朽化対策が後手に回っていた実態が、今回の道路陥没事故によって浮き彫りとなった形だ。
老朽化した下水道管の敷設替えには膨大な予算と期間を要する。自治体の財政難や技術者不足も重なり、危険な空洞調査が全域に行き届かない「予防保全の限界」が、惨劇の引き金となった可能性は否定できない。