キリスト教や仏教をモチーフにしたフィクションは、一歩間違えれば重大な文化的・宗教的軋轢を生みかねません。しかし本作は、日本国内にとどまらず海外の読者やメディアからも極めて好意的な反応を獲得しています。フランスのアングレーム国際漫画祭で受賞を果たすなど、芸術的・批評的評価も確固たるものです。
この受容の背景には、作者が徹底している「悪意の排除」と「宗教学的知見への深いリスペクト」があります。作中において、イエスもブッダも決して信仰そのものを茶化すことはありません。あくまで「偉大な聖人が、現代の庶民的なルールや資本主義の仕組みに戸惑いながらも真摯に向き合う姿」を描いているため、信徒が見ても不快感を抱きにくく、むしろ親しみを感じられる構成になっています。
英字メディアのコラム等でも、「神性を保ちつつ世俗の美徳を称える、日本特有の寛容なユーモア感覚」として分析されることが多く、異文化理解のユニークな成功例として語り継がれています。