数ある九州の名湯のなかでも、博多湯が「一度入れば違いがわかる」と温泉ライターや湯巡りファンから別格扱いされる理由は、その徹底した源泉管理と鮮度にあります。
二日市温泉の歴史は1300年以上前に遡りますが、博多湯は江戸時代末期の万延元年に創業して以来、敷地内の地下約260メートルから湧き出る自家源泉を保有しています。最大の強みは、湧出直後の源泉を空気に触れさせて酸化させることなく、そのまま湯船へと注ぎ込む完全な源泉かけ流し天然温泉である点です。
湯口に近づくと、ふわりと心地よい硫黄(硫化水素)の香りが鼻腔をくすぐります。泉質はアルカリ性単純硫黄温泉。pH8以上のまろやかなアルカリ性の湯は、古い角質をやさしく洗い流す「美肌の湯」としての特性を持ちながら、天然の保湿成分であるメタケイ酸を豊富に含んでいます。
一般的な温浴施設では衛生管理のために塩素消毒や循環ろ過を行うケースが少なくありませんが、博多湯では豊富な湧出量を活かして新鮮な湯を常に掛け流しています。湯上がりに肌が吸い付くようにしっとりと潤い、体の芯まで温もりが持続する感覚こそ、温泉通が絶賛する決定的な理由です。