レストランでボトルワインを注文した際、テーブルを代表するホスト(注文主)に対して行われるのが「ホストテイスティング」です。この儀式の目的を「ワインの味が自分の好みに合っているか確かめること」だと誤解している人が少なくありませんが、本来の目的は「ワインが劣化(コルク臭や酸化)していないかの品質チェック」です。
したがって、「思っていた味と違うから別のワインに変えてほしい」という要望は通用しません。スマートなテイスティング手順は以下の4ステップで完結します。
ステップ1:ラベル(エチケット)の確認
ソムリエが提示するボトルの銘柄、生産年(ヴィンテージ)が、自分がオーダーしたものと一致しているかを目視で確認し、軽く頷きます。
ステップ2:コルクのチェック(提示された場合)
コルクの端が過度に乾燥していないか、あるいはカビや異臭がないかを視覚的に確認します。触って確かめる必要は通常ありません。
ステップ3:外観と香りのチェック
少量がグラスに注がれたら、まず白いテーブルクロスなどを背景にグラスを傾け、濁りがないか色調を確認します。次にグラスを鼻に近づけ、不快な湿った段ボールのような匂い(コルク栓の劣化によるブショネ)がないか香りを確かめます。
ステップ4:味わいの確認と合図
一口だけ口に含み、酸化や極端な変質がないかを確認します。問題がなければ、ソムリエに向かって「結構です、お願いします」「素晴らしい状態です」と穏やかに告げます。この一連の動作を1分以内に淀みなくこなす姿は、同席者に対して非常にスマートで頼もしい印象を与えます。