「たかがネットの軽い読み物なのだから、目くじらを立てる必要はないのではないか」と考える読者も一部に存在します。しかし、こたつ記事の問題点や批判される理由は、単に「内容が薄い」という感情論だけにとどまりません。社会的な損害を引き起こす明確な法的・倫理的リスクを内包しています。
1. デマ・誤報の拡散と伝言ゲーム化
こたつ記事は一次ソースへの直接取材を行わないため、テレビ番組内の誤った情報や、SNS上の一般アカウントによる事実無根のポストをそのまま事実として拡散してしまいます。1つのメディアが書き起こした誤報を、別のこたつメディアが孫引きして記事化することで、ネット上でこたつ記事発のデマや誤報が既成事実化してしまう危険性があります。
2. ネットメディアにおける著作権侵害とフリーライド
テレビ局が多額の制作費を投じて制作した映像コンテンツや、タレント・クリエイターが発信したオリジナル文章を、自社の収益のために無断でテキスト化して利用する行為は、知的財産の「ただ乗り(フリーライド)」です。引用の必然性や主従関係を満たさない粗悪な書き起こしは、ネットメディアの著作権侵害の境界線を著しく曖昧にしています。
3. ネットニュース全体の信頼性低下とアテンション・エコノミーの罠
扇情的な見出しでユーザーのクリックを奪い、広告を表示させることだけを目的とした情報流通は、インターネット空間全体の情報価値を劣化させます。結果として、本当に時間と費用をかけて取材を行っている記者の記事が埋もれ、ネットニュースの信頼性そのものが読者から見放される負の連鎖を招いています。